委 員 くまがい 誠一 委 員 太 田 秀 子
委 員 長 屋 いずみ 委 員 佐 藤 綾
委 員 千 葉 なおこ
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開 議 午後1時
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○小形香織 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
最初に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。
◆くまがい誠一 委員 私からは、NET119
緊急通報システムについてお伺いいたします。
今年の
予算特別委員会において、我が会派から、聴覚、
言語機能等に障がいがあり、音声による119番通報が困難な方が、
スマートフォン等の
インターネット機能を利用し、119番通報ができるNET119
緊急通報システムについて質問させていただきました。そこで、システムの概要や運用開始までのスケジュール及び
利用者登録を推進するための広報についてお伺いし、私自身、このシステムについて、強い関心を持って見守ってきたところでございます。
先日、消防局の
消防指令管制センターに赴き、完成したシステムを見させていただいたところ、通報側の
スマートフォンでは画面上のボタンを押すだけで通報することができ、消防局の受信端末では、地図上に、GPSで取得した位置情報や、火事、救急の種別、登録者の情報が瞬時に表示されるものであり、聴覚や言語に障がいがある方にとって心強いシステムの運用がスタートしたと感じたところでございます。また、7月に運用を開始してから初めての救急要請もあり、通報に基づき、救急車が向かい、患者さんを、無事、病院に搬送したとお伺いし、順調な滑り出しであると感じているところでございます。
広報活動については、さきの
予算特別委員会で伺ったとおり、札幌市
公式ホームページ、ツイッター、広報さっぽろにより行っており、そのほかにも
札幌聴覚障害者協会の
ホームページに手話動画を掲載しているのを拝見いたしました。このように幅広な広報活動を行っているにもかかわらず、9月末現在の登録者は65名とお聞きしており、従来のメール119
通報システムの登録者約350名と比較すると、非常に少ない印象がございます。私は、登録者を増やすためには、現在登録されている方の傾向を踏まえることが効果的であると考えております。
そこで、質問ですが、現在の登録者数について、どのような傾向として受け止めているのか、お伺いいたします。
◎小嶋 警防部長 NET119
緊急通報システムの現在までの登録者数と、その主な傾向についてお答えします。
65名の登録者のうち、従来のメール119から移行された方が31名、今回新たにNET119に登録されたいわゆる
新規登録者は34名であります。年齢別に見ますと、40代以下の登録者は35%で、50代以上の登録者は65%となっております。
メール119登録者のうち、既に
スマートフォンを使用している方は、NET119に移行することが基本的に可能な状況にあります。そのため、運用を開始した時点で、利用を促すため、
登録者全員にメールの一斉配信を行いましたが、当初見込んでおりました移行登録が思いのほか進んでいないことを認識したところであります。
一方、
新規登録者もほぼ同数おりますことから、メール119登録者以外の方々にも、このシステムを必要とされる方が一定数いるものと認識しているところであります。
◆くまがい誠一 委員 ただいまの答弁で、メール119
通報システム登録者のNET119への移行が31名ですか、想定より伸び悩んでいることや、一方で、新規の登録者も一定数いることが分かりました。今後、傾向を踏まえた効果的な広報を展開していただきたいと存じます。
登録者を増やすためには、一方的な広報だけでは十分な成果が上がらないと思いますので、登録を希望される方が集まる場所に直接出向いて説明を行うことが効果的であると考えます。
そのような中、消防局では、実際に
聴覚障害者協会が主催する
登録希望者に対する説明会に直接出向き、登録、操作方法について説明を行ったと聞いております。説明会に参加することで、実際の参加者の生の声といったものを聴けたことでしょうし、今後の
普及啓発活動に生かせる様々なことが把握できたと思います。
そこで、質問でございますが、説明会に参加したことで分かったこと、また、それをどのように生かし、今後の
普及啓発活動を行っていくのか、お伺いいたします。
◎小嶋 警防部長 説明会に参加して分かったこと及び今後の取組にどう生かしていくのかについてお答えします。
説明会に参加して分かったことは、大きく3点ございます。1点目として、登録者の方々は手話を見ながら
スマートフォンを操作いたしますので、説明と並行して登録をすることができない方が見受けられたこと、2点目として、
スマートフォンの操作方法や独りで登録することに不安を感じている方がいるほか、実際にNET119を利用した119番通報を行うことに対し、不安を抱いている方が多くいることを認識したこと、3点目として、聴覚、言語機能に障がいがある方は、
ビデオ通話を利用することが多いため、
スマートフォンの保有率が比較的高く、NET119への登録が見込まれる方が多くいることであります。
以上3点のことなどを踏まえますと、委員がおっしゃるように、10名から20名程度の集まり、あるいは、サークルなどの場に出向き、いわゆる
出前型説明会におきまして、よりきめ細やかな説明を相手のペースに合わせて行うことが大切だと考えております。また、万が一の際にも119番通報が正しく行えるよう、通報の模擬体験ができる練習通報の機能を知ってもらうことが重要だと考えているところであります。さらに、11月9日の119番の日を捉えまして、効果的な広報活動を展開するとともに、説明会におきまして登録方法や
操作方法等についての
アンケートを実施するなど、聴覚、言語機能に障がいのある方の目線に立った取組を推進してまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 ただいま、ご答弁にもありましたが、大きく3点ございましたということですので、
アンケートの結果等も踏まえて、様々、ご検討していただきたいのと、聴覚、
言語機能等に障がいがある方一人一人に寄り添った丁寧な
普及啓発活動を行っていただきたいと思います。
また、先ほどもございましたが、コロナ禍のため、
出前型説明会などの開催機会も少なく、
普及啓発活動が制限される中ですが、せっかくの良いシステムでございますので、地道な対応により登録者が増えることを期待しております。
最後に、要望でございます。
NET119
緊急通報システムについては、札幌で登録されている方が、旅行等で外出し、札幌市以外、例えば東京で体調が悪くなり、NET119を利用して通報した場合、現状では、土地カンもなく、はるか離れた札幌市消防局で通報を受け、旅行先の
東京消防本部に内容を伝達しなければならないという現状があります。また、逆も同様、東京での登録者が札幌で通報した場合も東京につながってしまうのでしょうか。それでは、二度手間であり、一抹の不安を抱えながらの旅行になってしまう気がいたします。
Go To
キャンペーン等を利用して道内外に旅行される方も増えておりますし、来年には、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会も予定されており、多くの方が札幌市を訪れもいたします。そのような中、聴覚、
言語機能等に障がいがある方も、旅行先で何かあったときに、地元の消防本部に直接119番通報されることが重要でございます。
そうしたことを実現させ、通常の音声による119番通報とNET119が同等の全国共通の仕組みとなることを強く要望し、私からの質問を終わらせていただきます。
◆佐藤綾 委員 私からは、救急搬送と
感染防止対策、隊員の負担への対応について、幾つかお伺いいたします。
2月に本市で初めての
新型コロナウイルス感染症が確認され、2月、3月の第1波、4月、5月の第2波があり、また、10月には1日の感染者数が30人を超える日も出るなど、第3波の到来が懸念されております。第2波では、感染症に対応する病床が逼迫し、複数の医療機関でクラスターが発生するなど、一般の患者も受診ができなくなるような状況もありました。医療機関での感染で、多くの救急患者を受け入れている2次・3次救急の病院でも一時受入れができなくなるなど、救急搬送にも支障が出たことと思います。
質問いたしますが、救急搬送では、受入先の病院がなかなか決まらない事案が増加したと思いますが、2月からの
受入れ困難事案の状況についてお伺いいたします。
◎坂上
救急担当部長 受入れ困難事案の状況についてお答えをいたします。
2月頃から
受入れ困難事案が増え始めまして、6月はその傾向が顕著となり、前年と比べ、約2倍の
受入れ困難事案が発生したところであります。特に、発熱、せき、呼吸苦など、
新型コロナウイルス感染症と似た症状を伴う傷病者におきましては、
受入れ病院の選定に時間を要する傾向にありました。
なお、現在は、ある程度改善されているものと認識しております。
◆佐藤綾 委員 これから、再び
新型コロナウイルス感染が広がると、
受入れ困難事案の増加が懸念されますが、対策としてどういった連携を図っておられるのか、続けてお伺いいたします。
◎坂上
救急担当部長 受入れ困難事案の対策についてお答えをいたします。
札幌市と
入院受入れ医療機関との間で開催をされております
医療提供体制検討会議、これに参加をいたしまして、
受入れ困難事案の発生状況について情報共有をしたところであります。また、札幌市保健所と連携をし、札幌市医師会に
受入れ困難事案の発生状況について情報提供し、対応しているところでございます。
引き続き、状況に応じて、関係機関と連携を図り、円滑な救急業務の推進に努めてまいります。
◆佐藤綾 委員 入院先、また保健所、そして医師会などとも連携して進めていくということでございましたが、今後も感染の状況が続くと考えられますので、受入れ困難な状況の改善に各関係機関との連携協力を強めていっていただきたいと思います。
次に、救急隊の
感染防止対策についてお伺いいたします。
保健所と覚書を交わし、移送などで配慮や医療行為が必要な
新型コロナウイルス陽性患者の搬送に対応しているとお聞きしています。この搬送時の
感染防止対策と一般の搬送での
感染防止対策はどのようにしているのか、お伺いいたします。
◎坂上
救急担当部長 救急隊の
感染防止対策についてお答えをいたします。
全ての傷病者が
新型コロナウイルス感染症の可能性があるということを想定いたしまして、
サージカルマスク、ゴーグル、
感染防止衣、グローブを装着するとともに、
使用資器材等の消毒を徹底しているところであります。さらに、状況に応じまして、より高機能なマスク、いわゆるN95マスクですけれども、こちらを装着するほか、傷病者に
サージカルマスク等の着用について促すとともに、傷病者を病院へ搬送する際は、救急車の窓の開放や換気扇を使用して可能な限り車内の換気に努める、こうした対応を行っているところであります。
また、
新型コロナウイルス感染症患者の移送に専門的に従事している特定の救急隊につきましては、これらに加えまして、より
感染防止レベルの高い防護服等を状況に応じて着用して対応しているところであります。
◆佐藤綾 委員 今、陽性の患者さんの移送については、感染を防ぐ効果が高い防護服なども使っているということでしたけれども、陽性の患者さんを運ぶ場合と一般の患者さんを運ぶ場合と、消毒にかかる時間なんかは変わると思うんですね。
新型コロナウイルスの陽性患者さんの場合は、どれくらい消毒に時間がかかるんでしょうか。
◎坂上
救急担当部長 どれぐらいにと、一概には申し上げられないんですけれども、救急車内の消毒、特に傷病者の方が触れたような、例えば手すりですとか、傷病者の方の体温を測ったりしますので、体温計だとか、そういったものを、アルコールあるいは
次亜塩素酸ナトリウムですか、この水溶液で清拭消毒をいたしますので、触れた箇所だとかによって変わりますけれども、そういった消毒を行っているということでございます。
◆佐藤綾 委員 陽性患者さんと一般救急の患者さん、それぞれ消毒はどういったところでされているんでしょうか。
◎坂上
救急担当部長 陽性患者さんと一般の患者さんの消毒ということでございますけれども、陽性患者さんを移送する場合につきましては、あらかじめ計画に定められて移送対応しておりますので、今現在、
市立札幌病院の横にあります
ワークステーションの隊が専門的に移送しております。
消毒につきましては、移送後に、
ワークステーションのほうに戻りまして、そちらで消毒をしている、そういった形になっております。
◆佐藤綾 委員 それでは、救急隊員は、食事、仮眠などをしながら署内で仕事や待機をしておりますが、署内での
感染防止対策とその徹底はどう行っているのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長 私のほうから、救急隊員の食事、仮眠などにおける署内での
感染防止対策とその徹底についてお答えさせていただきます。
消防局においては、救急隊員のみならず、職員の
感染防止対策といたしまして、
新型コロナウイルス感染症への対策が求められ始めました1月下旬から、職員に対し、小まめな手洗い、マスクの着用、3密の回避など、基本事項の徹底について注意喚起を行うとともに、
手指消毒液の配付を行っているところでございます。
また、
国立感染症研究所や保健所の医師等に当局の仮眠室の写真を用いて具体的に状況を説明するなどとし、
感染防止対策について
アドバイスをいただいたところでございます。具体的な
アドバイスによりまして、食事の際には、換気の徹底に加え、食事時間の分散、職員同士が向かい合わせにならないような
テーブル配置等の工夫について取り組んでいるところでございます。さらに、仮眠室については、ロールカーテンや仕切り板などにより区画しているほか、他の職員との距離を確保するなど、
飛沫感染防止を実施しているところでございます。
このほか、ドアノブなどの共用部分の消毒の徹底や、来庁者に対しまして手指消毒のお願いといった
感染防止措置の協力要請など、感染防止に向けた環境づくりに努めているところでございます。
今後も引き続き、小まめな手洗い、マスクの着用、3密の回避など、基本事項を徹底するよう、機会あるごとに啓発を行ってまいります。
◆佐藤綾 委員 消防署、救急隊で感染があった自治体も少なからず出ております。リスクがある中、医療機関と同様、
新型コロナウイルス感染拡大の最前線で従事しております。署内に感染症が起きると、周囲は、
濃厚接触者として検査し、2週間ほど休まなければならないなど、救急出動が困難となります。患者さんに感染をさせないことはもちろんですが、救急体制と職員の安全を守らなければならないと考えます。
感染防止対策は、専門家の助言も受けて、写真などで確認してもらっているということですけれども、研修などで指導されているようなことでも正確に実施できていない場合や、専門家でなければ気がつかないこともありますので、救急車内や署内を専門医や
認定看護師など感染の専門家に実際に見てもらい、チェックすることも必要ではないかと思います。
次に、救急搬送に従事する消防職員の負担への対応についてお伺いいたします。
感染拡大となると、
コロナ患者の移送が増えることも予測され、移送時には慎重で細心の注意が必要となり、労力と時間、人手もかかります。通常の救急搬送でも自らの感染のリスクと隣り合わせであり、
新型コロナウイルス感染が疑われる患者の場合以外でも消毒などに神経をとがらせないとなりません。また、夏場は防護服にマスク、ゴーグルを着用するなどで暑さも厳しく、先ほどもありましたが、冬は救急車で窓を開けて換気をするという環境であり、勤務時間も長く、大変なストレスにさらされております。
名城大学、
畑中美穂准教授が、消防職員との共同研究で
新型コロナウイルス流行下の救急活動に関する調査を行い、9月に発表されました。北海道も含む全国の救急活動に携わる消防職員2,204名から回答が寄せられ、その速報によると、自分も感染するかもしれないと不安を感じた、家族へ感染させるのではないか、署に帰ったとき、ほかの職員へ感染させるのではないかという不安も、それぞれ9割近くの隊員が感じたという結果です。また、
受入れ病院決定に時間を要したことから、患者の容体が変わるのではないかと心配があったことも伺いました。
こうした点からも、救急搬送に従事する職員は精神的な負担も多く、フォローすることが重要と考えますが、どう対応されているのか、お伺いいたします。
◎坂上
救急担当部長 救急搬送に従事する職員への対応についてお答えをいたします。
委員がご指摘のとおり、
新型コロナウイルス感染症が拡大している中、日頃から多くの傷病者と接している救急隊員につきましては、ストレスを抱えていると承知しているところであります。
そのため、管理職が、適宜、面談を実施し、救急隊員が抱えているストレスや悩みについて相談を受けるほか、特に陽性患者の移送業務に従事した救急隊員に対しましては、関係部局の協力を得て
メンタルヘルスケアを実施しているところであります。また、救急活動時の不安解消のため、先ほどお話をいただきましたとおり、
国立感染症研究所や保健所の知見、助言等について通知するとともに、職員研修を行ったところであります。
引き続き、救急隊員の声に耳を傾け、
関係機関等の協力を得ながら、
ストレス対策に努めてまいります。
◆佐藤綾 委員
畑中准教授の調査では、感染防止と救命とどちらを優先させるかの選択で難しさや無力感を感じることがある、このままでは救急隊を続けたくないという声もありました。苛酷な状況の中、生命と健康を脅かすリスクの下、仕事を懸命に続けております。隊員の身体面とともに、精神面にも、先ほどもおっしゃっておりましたけれども、特段の配慮をして対応をしていただきたいと思います。
なお、この調査では、職場での対策として、全員の
定期的PCR検査が必要と答えた消防職員が53%でした。
感染防止対策、また
感染リスクからも、切実ではないかと考えます。
また、
医療従事者や、本市では保育士等にも慰労金が出されましたが、消防署員にはありません。危険手当は増額されたとのことですが、
医療従事者と同様、最前線で救急に従事する職員に慰労金を出すことと、感染防止のためにも定期的な
PCR検査を実施すべきと申し上げまして、質問を終わります。
◆藤田稔人 委員 私からは、
新型コロナウイルス感染症に係る消防局及び消防団の対応について、二つ質問させていただきます。
まずは、消防局の対応の中で、市民が行う
応急手当てにおける
新型コロナウイルスへの感染予防についてお聞きいたします。
新型コロナウイルス感染症の患者は、いわゆる感染症法に基づき、保健所が入院施設まで移送することとされており、そのうち、酸素投与が必要な方などについて、本市では、保健所と消防局が連携して、9月末時点で719名の陽性患者の移送を救急車で行っていると聞いております。
また、救急隊員は、119番通報が寄せられた時点で、発熱やせきなどの症状があり、
新型コロナウイルス感染症が疑われるケースに出動対応しているほか、これらの症状は全くない、通常のけがや交通事故などの現場への救急出動であっても、医療機関に搬送した後の検査で
新型コロナウイルス感染症患者であったことが判明することもあると聞いております。
そのような状況から、救急隊員は、市内で1日に約250件ほどある救急要請の全てにおいて、
新型コロナウイルス感染症の目に見えないリスクと対峙し、市民への
救急サービスを絶えず提供し続けております。常に
感染リスクの想定される中で、その勇気ある対応に一市民として感謝するとともに、敬意を表したいと思います。
一方で、市内においては、年間10万件を超える救急出動があり、119番通報を受けて救急車が出動してから現場に到着するまでには約6.8分かかります。事故や
病気などにより、突然、呼吸や心臓が止まってしまった方の命が助かる確率は、時間の経過とともに急激に低下してしまうことから、救急車が到着するまでの間に、その場に居合わせた方、いわゆる
バイスタンダーが胸骨圧迫やAEDの使用などの
応急手当てを行うことがとても重要です。
しかしながら、
応急手当てを行う際は、倒れている傷病者との接触を伴うことから、万が一、傷病者が感染症に罹患していた場合、
応急手当てを行う方に感染のリスクが生じます。
こうしたことから、
新型コロナウイルス感染症の流行を受け、厚生労働省から、
新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による
救急蘇生法が示され、市民が行う
応急手当ての内容が見直されております。具体的には、胸骨圧迫などは、ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気を発生させる可能性があるため、
新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、全ての
心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応すること、成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに、胸骨圧迫とAEDによる
電気ショックを実施すること、胸骨圧迫を開始する前に、ハンカチやタオルなどがあれば傷病者の鼻と口にかぶせるようにすることなどであります。
こうした方策の徹底により、
応急手当てを行う市民への感染を予防するとともに、
バイスタンダーとなったとき、より多くの市民が
応急手当てを行えるようになることが重要と考えます。
そこで、質問ですが、市内で
新型コロナウイルス感染症患者が継続的に発生している中、市民が
応急手当てを行う際の感染予防について、消防局はどのように対応しているのか、また、
新型コロナウイルス感染症を踏まえた
応急手当てについて、どのように市民に普及啓発しているのか、お伺いいたします。
◎坂上
救急担当部長 市民が行う
応急手当てにおける感染予防についてお答えをいたします。
委員がご指摘のとおり、
新型コロナウイルス感染症患者が継続的に発生している状況におきましては、ご質問にありました厚生労働省から示された新たな
救急蘇生法を踏まえ、
応急手当てを行う方の健康や安全を守ることが重要であると認識しているところでございます。
具体的な対応といたしましては、心肺停止の傷病者に係る119番通報を受けた際に、通報者や
応急手当てを行う方に対し、
感染リスクを説明し、胸骨圧迫などの
応急手当てを行う場合の感染予防策の実施について指導しております。また、市民への普及啓発につきましては、新たな
救急蘇生法の内容を市
ホームページに掲載するとともに、関係部局と連携して、訪問介護事業所など高齢者関係の事業所に周知したところであります。さらに、
新型コロナウイルス感染症の発生を受けて中止していた
応急手当て講習を今月末から市民向けに再開する予定であり、この講習において、感染予防に配慮した
応急手当ての方法を受講者に習得していただくこととしております。
こうした普及啓発の取組を今後も継続し、新たな
救急蘇生法の内容について、広く市民に周知してまいります。
◆藤田稔人 委員 市民が行う
応急手当てにおける
新型コロナウイルスの感染予防については、市民による
応急手当てが推進されるよう、引き続き、普及啓発に取り組んでいただきたいと考えております。
次に、消防団に関して、
新型コロナウイルス感染症を踏まえた消防団活動についてお聞きいたします。
消防団は、消防・防災体制の中核的存在としてふだんから地域防災の指導的役割を担っており、災害発生時には、その地域密着性や要員動員力、即時対応力を生かして、地域住民の安全・安心を確保しております。
一昨年の北海道胆振東部地震においても、地域の被害状況の把握や灯油ホームタンクの転倒防止、火災報知機が鳴っている建物の安全確認など、多くの消防団員が市民生活の安全確保のために活動しました。こういった活動は、災害を想定した訓練や火災予防運動、地域特性に応じた各種活動など、平時からの取組のたまものであると考えております。
私も、消防団員の一人として日頃から活動に従事しているところですが、今年につきましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、以前のような訓練や、市民と直接接するような消防団活動を縮小または中止せざるを得ない状況となっております。
例年6月から7月にかけて、市内の各消防団では消防総合訓練大会を開催しており、一大イベントとなっております。多くの消防団員は、この訓練に向けた事前訓練において、技術の向上が図られ、日々の消防団活動に生かされていると言っても過言ではありません。
今年については、
新型コロナウイルス感染症の影響により、全ての消防団の訓練大会が中止となりました。このような状況においても、いざ災害が発生すれば今までと同様の活動をしなければなりませんが、訓練の実施がままならないことを考えると、消防団活動のレベルの低下が危惧されるところです。また、火災予防運動や入団促進活動なども滞れば、地域の防火防災力の低下も招きかねません。
こうしたことを受けて、
新型コロナウイルスの収束が見通せない状況ではありますが、今までの消防団活動のレベル低下を防ぐためにも、何か方策を生み出さなければならないと考えております。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の消防団活動について、どのような取組を行っていくのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長
新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の消防団活動についてお答えいたします。
消防局においては、札幌市内で
新型コロナウイルス感染症が拡大を始めた3月に、各消防団へのマスク配付、感染防止に向けた留意事項などについてお願いをさせていただいております。具体的には、第1に、いわゆる3密を回避した活動を行うこと、第2に、
飛沫感染防止を心がけた行動をすること、第3に、活動資機材を適宜消毒すること、第4に、日々の体調管理に留意することなど、
感染防止対策の徹底についてお願いをしたところでございます。
こうしたことを受けて、各消防団においては、訓練や会議の参加人数を最小限にすることや、独自で感染防止用品を準備するなど、おのおのの実情に応じた消防団活動というふうになっております。
消防局といたしましては、今後も、
感染防止対策を積極的に支援するため、各消防団と綿密な意思疎通を図り、
新型コロナウイルス対策について、他の消防団と情報共有を図っていくべきと認識をしているところでございます。それによりまして、コロナ禍であっても、消防団活動のレベル低下を招かないとともに、団員のモチベーションの維持・向上を図りながら、
新型コロナウイルスと共存する新たな消防団活動になるように積極的に協力してまいります。
◆藤田稔人 委員
新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の消防団活動ということで、ぜひ、これからも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
今回は、誰もが経験したことのないコロナ禍において、今後、消防団活動におきましては様々な課題が生じるかと思います。できる範囲の中で最善の努力を尽くしていただきたいと思います。
例えばではありますが、9月に札幌市総合防災訓練がございましたが、我々議員には動画の配信ということでご案内がございました。そういったものに消防団が参加できる仕組みをつくるですとか、できることはまだあると考えておりますので、そういったことにも取り組んでいただきたいと考えております。
消防局におきましては、市民の安心と安全の確保のために、これからもご尽力いただくべく、引き続き、消防団活動への最大限のご協力を要望して、質問を終わります。
◆うるしはら直子 委員 私からは、札幌市民防災センターのリニューアルについてと、高齢者世帯への自動消火装置設置費助成事業について、2点質問いたします。
初めに、札幌市民防災センターのリニューアルについて伺います。
先日、私どもの会派議員で、白石区にあります札幌市民防災センターを視察いたしました。この施設は、火災時の避難や、消火器を使った模擬消火体験のほか、近年多発する地震や暴風などの災害を体験することができるなど、見て、触れて、体験しながら、防火防災について学ぶことができる施設です。子どもたちにも大変人気でありまして、視察したこの日も、地域の子どもたちが学校帰りに楽しそうに見学に訪れる姿が見られました。
視察した際に、防災センターの職員の方から、2003年の開館以降、幅広い年齢層の市民が訪れ、例年では年間7万人近い来館者を記録しており、2018年6月19日には合計来館者が100万人を超えたとお聞きしました。また、市民はもとより、道内、道外から、そして外国人の来場者も増えているとのことでした。
また、2018年9月に発生しました北海道胆振東部地震の経験から、市民の防火防災意識がこれまで以上に高まっており、あわせて、地域団体や教育機関、企業などから防災センターに寄せられている期待もますます高まっています。
昨年10月の大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会で、私から、札幌市強靱化計画改定による市民に向けた防災意識喚起について質問し、この答弁の中で、防災センターの体験施設のリニューアルを行い、防災・減災意識の高揚を図る予定とのお答えがありました。
現在の防災センターは、2003年にオープンしてから17年が経過し、一部の体験コーナーは老朽化が進んでいたり、また、陳腐化してしまっているものもあります。また、
新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、利用を停止あるいは制限している体験コーナーもあることから、今後も市民がより効果的に最新の防火防災について学べるようなリニューアルや改修が必要と考えます。
そこで、伺いますが、アクションプラン2019には、防災センターのリニューアル事業が計画されておりますが、どのようなリニューアルを検討しているのか、伺います。
◎川本 総務部長 札幌市民防災センターのリニューアルについてお答えいたします。
札幌市民防災センターのリニューアルにつきましては、開館後10年目に当たる平成24年度に災害バーチャル体験コーナー、暴風体験コーナー、地震体験コーナーの三つについてリニューアルを実施いたしました。平成24年度にリニューアルを実施していない消火体験コーナー及び煙避難体験コーナーは、開館後20年目に当たる令和4年度中にリニューアルを実施し、より実践的で臨場感あふれる体験施設としてレベルアップを図る予定でございます。
また、リニューアルの際には、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を図りつつ、効果的に学ぶことができるような対応をしてまいりたいと考えております。
◆うるしはら直子 委員 防災センターのリニューアルにつきましては、二つの体験コーナーにおいて開館から20年目を迎えます2022年に実施するとのことで、楽しみにされている市民の方もたくさんいらっしゃると思います。
また、この施設では、同時に災害時の防災グッズなどの展示コーナー、これもございますけれども、震災から2年がたちまして、改めてご家庭の防災グッズを見直すという方々も多いかと思います。こうした家庭や車の中での避難、また、ペットを連れた避難などにも備えられるような新たなグッズの紹介、そうした展示、または、出前型の展示の拡大など、さらに工夫を凝らしましてリニューアルに向けて進めていただくことを要望いたします。
また、このような防災施設は北海道内でも大変珍しく、昨年5月、日経新聞社の「何でもランキング」では、全国に150以上ある体験型防災教育施設の中から本市の防災センターが10位に、また、自治体の消防が運営に関わる施設としては5位にランキングがされておりまして、特に、今回リニューアルされる煙避難体験コーナーは全国的にも珍しいと評価がされています。
また、小学校のときに修学旅行や体験授業で見学に来た人が、当時を懐かしく思い出しながら再び訪れるなどのリピーターも多いと聞いております。今後も、多くの来場者が最新の防災知識を学べる施設であることを期待して、次の質問に移ります。
続いて、高齢者世帯への自動消火装置設置費助成事業について質問いたします。
昨年、市内で発生した火災件数は407件で、過去10年で最も少ない件数となりました。今年の上半期は、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、外出自粛要請や在宅勤務が実施されるなど、日常生活が一変し、これまで経験したことのない生活を余儀なくされました。その影響は現在も続いており、以前のような日常生活を取り戻すには至っていない現状にあります。
日常生活を送る中で起きる火災は、例えば、こんろの火をつけたまま忘れてしまったり、たばこの火の不始末や寝たばこなど、ついうっかりしたことで起きてしまいます。特に、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、外出自粛や在宅勤務を行うことで自宅にいる時間が長くなればなるほど、こうしたうっかり型の火災も多くなっているのではないかと思います。
そこで、最初の質問ですが、今年上半期は、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により私たちの生活スタイルが大きく変化しましたが、この時期の火災発生状況と、そこから分析される特徴について伺います。
◎山陰 予防部長 本年上半期の火災発生状況と特徴についてお答えをいたします。
上半期に発生した火災は211件で、昨年同期と比べ、5件の減少でありました。また、出火原因の上位3位につきましては、こんろが1位となっており、2位に電気関係、3位に放火という状況になっております。
上半期の特徴は、電気関係や放火など、出火原因のほとんどが、昨年同期に比べ、軒並み減少しているところでありますが、1位のこんろについては、19件の増加と、突出して多かったことが挙げられるところでございます。当局としましても、委員がおっしゃるとおり、こんろに火をつけたまま忘れてしまうなどのうっかり型の火災が多いと認識しているところでございます。
また、こんろ火災が増加したのは、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛により、自宅での調理機会が増えたことが要因の一つとして分析しているところでございます。
◆うるしはら直子 委員 上半期の火災発生の特徴として、自宅のキッチンにおけるこんろ火災が増えているとのことでした。
火災は、起こらないように予防するのが大切なのは言うまでもありません。しかし、万が一、起きてしまったときは、早期に発見し、消火や避難などを迅速かつ適切に行わなければ、被害は甚大なものとなってしまいます。特に、高齢者の方にお話をお聞きしますと、やかんを火にかけたまま、こんろから離れ、沸騰している音が聞こえず、しばらく沸騰し続けていたですとか、また、残ったおみそ汁を火にかけて、うっかりお鍋を焦がしてしまったなど、冷やりとする場面がよくあるとのことです。
このことから、消防局では、高齢者世帯を対象に、火災の熱を感知して自動で消火する自動消火装置の購入及び設置費の一部を助成する制度を2018年から行っています。この制度では、高齢者世帯に多い、こんろやストーブを原因とした火災から高齢者を守るため、1世帯当たり自動消火装置2台まで助成が可能とされ、初年度84世帯だった本事業では、昨年度の実績は249世帯となっています。しかしながら、2022年度までの目標は1,084世帯とされており、普及啓発にはもう一工夫が必要と感じます。
自動消火装置を普及させるためには、高齢者に対する広報が重要です。本市は、
ホームページや広報さっぽろなどで周知し、最近では新聞などでも取り上げられておりますが、高齢者の方々は
ホームページをなかなか見る環境にない方も多く、また、近年では新聞の購読もやめてしまう高齢者世帯も増えてきています。広報さっぽろも見逃してしまうケースも多いという話も聞くことから、本事業を知らないまま過ごしている世帯が多いのではないかと思います。
そこで、伺いますが、広報媒体には様々な種類がありまして、広報の内容や対象に合った媒体を適切に選択し、広報する必要がありますが、自動消火装置設置費の助成制度について、消防局ではどのように広報しているのか、伺います。
◎山陰 予防部長 自動消火装置設置費助成事業の広報についてお答えをいたします。
委員がおっしゃるとおり、高齢者の方々が新聞や広報さっぽろなどに掲載されている記事を見逃してしまうケースについては認識しているところでございます。
広報につきましては、テレビやラジオなどの媒体も活用しているところではありますが、今年度から、新たな取組として、高齢者のお子さん世代や町内会、マンションなどの管理組合あるいは高齢者関係団体など、高齢者に関わる方々を対象に広報することを通じて、助成の申込みをしやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。
今後も、本助成事業について、高齢者のみならず、高齢者に関わる方々にも積極的に広報し、自動消火装置の設置を促進していきたいと考えているところでございます。
◆うるしはら直子 委員 紙以外の媒体の活用、また、高齢者のみならず、広く市民を対象とした広報の実施について理解をいたしました。
最後に、要望でございます。
自動消火装置は、高齢者の生活を守るための大切なツールです。せっかくの助成制度も、高齢者をはじめ、そのお子さんやお孫さんなど周りにいる方々に知られることがなければ、有効活用がされません。その意味から、広報なくして自動消火装置の普及は進まないものと考えます。
現在、札幌市民防災センターには自動消火装置を紹介するコーナーはありませんが、今後、札幌市民防災センターのリニューアルに併せて、自動消火装置を展示したり、装置の体験や、制度などを説明する動画を見ることができるコーナーを設けて、来館者に対し、視覚に訴えた広報を行うことは大変有効だと思います。あわせて、その動画をタクシーの後部座席やバスの中で流すなど、視覚や体験による周知をすることは、高齢の方への呼びかけとして有効ではないかと感じております。高齢者が安全で安心な生活を送ることができるよう、今後もしっかりと取り組まれますことを求めまして、私の質問を終わります。
◆竹内孝代 委員 私からは、地域防災力の向上について、3点質問をさせていただきます。
まずは、札幌市消防団ビジョンが策定されたことによって得られた成果と、今後の展望についてお伺いをしたいと思います。
東日本大震災を契機に、地域防災力の重要性が改めて認識され、平成25年12月には消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が制定されるなど、大規模な自然災害に、迅速、的確に対応ができる消防団が求められております。
私も、消防団員の一人として、清田消防署員の方々の協力、指導の下、コロナ禍においても勉強と訓練を重ねながら積極的に活動をさせていただいておりますが、団の活動を経験する中で、平成28年の
決算特別委員会におきまして、消防団の活性化の一つとして魅力ある消防団づくりについて質問をさせていただきました。このときの答弁では、札幌市消防団の事業運営の方向性を定めた中長期的な指針として、札幌市消防団ビジョンを策定する等の方針を示していただいたところであります。
このビジョンは、平成28年11月に策定され、計画期間を平成28年度から平成37年度の10年間として、地域に安全と安心を提供できる強固な組織を目指すといった理念を頂点に掲げて、消防団が目指すべき将来像として、専門的な技術、防火・防災知識を有した消防団、地域と一体となって活動する消防団、そして、魅力あふれる消防団の三つが定められました。さらに、目指すべき将来像を実現するための五つの基本方針として、災害対応能力の向上、効果的な予防活動の推進、装備・施設の充実強化、教育訓練の充実強化、そして、消防団組織の活性化が定められ、札幌市消防団が進むべき道を具現化していくという構成になっていると承知をしております。策定から4年が経過し、一定の成果が出ていることを期待しているところであります。
そこでまず、1点目の質問ですが、札幌市消防団の事業運営の指針として示されました札幌市消防団ビジョンが策定されたことによって得られた成果と、今後の展望についてお伺いいたします。
◎川本 総務部長 札幌市消防団ビジョンが策定されたことによって得られた成果と、今後の展望についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、東日本大震災の発生と、それに伴う新しい法律の制定を受けて、札幌市消防団ビジョンを策定し、消防団の事業運営はこのビジョンに沿って進められているところでございます。
これまでの成果として、消防団ビジョンの主な基本方針として定められている災害対応能力の向上においては、大規模災害を想定した訓練を実施して災害対応の強化を図ったこと、さらに、装備・施設の充実強化においては、無線機や防火衣を追加配備して消防団の安全な活動の向上を図ったことなど、ビジョンで掲げられていることを着実に達成し、消防団の強化を図っているところでございます。
今後の展望といたしましては、ビジョンの基本方針の一つであります効果的な予防活動の推進の具体化として、来年1月から、消防団員を地域防災指導員として養成し、町内会や自主防災組織といった地域コミュニティーの方に対しまして防火防災指導を行っていく予定でございます。
消防局といたしましては、今後も、消防団と綿密な連携を図りながら、札幌市消防団ビジョンに掲げられている基本方針はもとより、ビジョン策定後に発生いたしました北海道胆振東部地震の教訓も踏まえながら、地域防災の要である消防団の充実強化に向けて積極的に協力してまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 札幌市消防団ビジョンの策定によって得られた成果は数多く、今後のさらなる展望についても理解し、評価をさせていただきます。
地域防災力を維持・向上するには、札幌市消防団ビジョンに掲げられていることを一つ一つ確実に実現していくしかありません。地域に安全と安心を提供できる強固な組織を目指すべく、消防局のご協力をお願いしたいと思います。
次に、消防団員の確保に向けた今後の取組についてお伺いします。
消防団は、大規模災害時における第一線での消火・救助活動はもちろんのこと、平時からの
応急手当ての普及啓発や、町内会への防災指導を行うなど、地域防災の中心的な役割を担っております。実際に、2年前の北海道胆振東部地震の際も、地元里塚地区をはじめ、市内で延べ約100人の団員が活動したというふうにも聞いております。ますます、その役割の大きさを実感しております。
しかしながら、肝腎の消防団員数は、少子化や、平日の業務などで実際上の活動が難しい会社勤めの方の増加による担い手不足により、全国的に年々減少してきており、平成の初めには100万人を超えていた消防団員が現在では83万人ほどになり、また、高齢化も進むなど、組織の弱体化も進みかねない状況となっております。こうした傾向は、札幌市においても同様ではないかと認識をしております。
近年、全国的に異常気象による自然災害が頻発して、消防団の一層の充実強化が必要とされる中、このまま消防団員が減少し、高齢化が進むと、消防団活動にも支障を来し、地域防災力の低下につながるのではないかと大変危惧をしております。
札幌市内にある10の消防団で組織する協議会においても、こうした状況に歯止めをかけるため、消防団員の確保対策を重点取組事項として掲げ、それぞれの消防団において日常的に募集活動に取り組んでおります。さらに、こういった取組に加え、例年10月からの2か月間、入団促進キャンペーンを展開し、消防団員の確保に向けた取組を積極的に実施しているところではありますが、近年頻発する災害発生の中、地域防災力向上のため、さらなる取組が必要であると考えます。
そこで、2点目の質問ですが、消防団員の確保に向けて、今後どのような取組を行っていくのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長 消防団員の確保に向けた今後の取組についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、札幌市においても消防団員は減少傾向にあり、さらに、消防団員の高齢化も相まって、消防団員の確保は重要な課題として捉えております。
例年10月中旬から12月中旬までの2か月間で全市的な入団促進活動を実施しておりますが、今年は、この入団促進活動を強力に進めるべく、街頭ビジョンでの消防団PR映像の放映や、地下鉄車両へのポスターの掲出をはじめとした地下鉄駅等での広告の掲示、フリーペーパーを活用した女性や学生への広報活動、さらには、地下歩行空間での消火活動で使用する資機材の展示や、その資機材の体験、記念写真の撮影、入団相談コーナー等を設けた従来より規模の大きな入団促進イベントの実施というような、多様な入団促進活動を展開してまいります。
消防局といたしましては、消防団と綿密な連携を図りながら、積極的に消防団員の加入促進に取り組んでまいります。
◆竹内孝代 委員 今後の取組について、消防団員の確保に向けて、具体的に今示されました取組について理解をいたしました。市の積極的な取組による、意識のある団員が入団をして、そして定着をしていただけることを期待しております。
次に、少年消防クラブの今後の活動について伺います。
地域防災の担い手という観点から言うと、少年消防クラブ員の減少も気になるところです。現在、少年消防クラブは、連合町内会を母体とした46クラブに684人の小学生、中学生及び高校生が在籍をし、消防とも密接な関わりを持ちながら、規律訓練、歳末の防火パトロール、福祉施設への訪問、また、地域行事の際の訓練披露など、地域に根差した活動を実施しており、少年消防クラブ員は防火防災の担い手になり得る貴重な存在であります。
私も、少年消防クラブ、愛称BFCの指導者をさせていただいておりますが、子どもたちの訓練に見せる真剣なまなざしやクラブ員同士の絆の深まりを目の当たりにして、意義あるすばらしい取組であると実感する一人でもあります。
消防局では、子ども向けの防火防災思想の普及啓発として、小学校3年生を対象とした「教えて!ファイヤーマン」や、中学生を対象としたジュニア防火防災スクールなど、学校授業の一部を活用して広く展開をしておられます。一方、少年消防クラブは、小学生から高校生までをクラブ員の対象として、各世代における到達目標を定めて継続的な活動を実施しており、将来の地域における防火防災活動の担い手を育成する重要な施策であると認識をしております。
そこで、最後の質問です。
少年消防クラブの今後の活動についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
◎山陰 予防部長 少年消防クラブの今後の活動についてお答えをいたします。
委員がお話しされたとおり、少年消防クラブ員は、将来の地域における防火防災活動の担い手になり得る存在として認識しているところでございます。
クラブ員の確保など、少年消防クラブが抱える諸課題の解決に向けては、平成27年度に、少年消防クラブの未来に向けた提言書がまとめられており、この中で、少年消防クラブの認知度向上やクラブ員が活躍する機会について提言されているところでございます。これらの提言を受けまして、クラブ員確保や認知度向上のため、クラブ員から募集したスローガンを掲載した募集ポスターや募集チラシを作成し、募集ポスターについては、全小学校と全児童会館に年1回配付しており、募集チラシについては、各消防署や少年消防クラブで活用しているところでございます。また、クラブ員が活躍する機会として、消防団訓練大会などで訓練披露を実施しているほか、昨年では、厚別区の少年消防クラブが日本代表としてヨーロッパ青少年消防オリンピックに出場したところでございます。
今後につきましても、少年消防クラブが連合町内会や消防団などの関係団体と密接に連携した活動を展開し、地域防災力の向上を図ることができるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆竹内孝代 委員 少年消防クラブのこれまでの活躍、また今後の活動についてのご決意というのは、大変理解をいたしました。
このクラブ員を大事に育てることによって、地域の防火防災に携わっていきたいという気持ちが芽生え、将来、消防職員や消防団員になる可能性もあるのではないかと思います。少年消防クラブ員の確保対策に、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
昨今のコロナ禍にあって、市民と直接接するような消防団活動、例えば、市民に対して実施する
応急手当て指導は以前のように行えない状況であり、また、消防団の認知度を高めることも厳しくなっていると認識しております。
このような状況下で、先ほど答弁されましたように、様々な団員の確保対策を行うこと、とりわけ女性や学生などの若い世代にターゲットを絞った入団促進については、高齢化が進んでいる消防団組織には必要なことであると思うところであります。
また、市民と直接接することができなくても、ユーチューブなどの動画共有サイトを利用し、動画配信を行うことによって、私たち団員の活動を知っていただく機会にもなるとともに、私たち団員自身の教養、また、市民の防災意識向上にも役立つと思いますので、ぜひとも動画作成についても検討を求めます。
これらは、地域防災力の向上を図る上で大変重要なことであると思いますので、ぜひとも、消防局におかれましては、今後とも、地域の安心と安全を守るために、地域防災の担い手の確保に向けた取組を積極的に行っていただくことを求めまして、質問を終わります。
◆小竹ともこ 委員 私からは、狸小路の飲食店の火災を受けた取組について質問をいたします。
先月9月15日に、狸小路商店街にある飲食店から出火しました。当日は、市役所に近い場所で、私ども議員数名と札幌市商店街振興組合連合会の役員の皆様と、コロナ対策を含む情報や意見を交換する会合がまさに始まるところでありました。午前11時過ぎであったと思いますけれども、その席に、理事長のお店の向かいのラーメン店から煙が出ていると一報が入り、理事長は、すぐさま狸小路4丁目のご自分のお店がある現場に向かわれました。それと同時に、何台もの消防車のサイレンが鳴り響き、報道ヘリコプターのプロペラ音も間近に聞こえ、現場の騒然とした様子を想像し、大変、緊張、緊迫した気持ちになったことを覚えております。
火災は、消防車40台以上が出動し、鎮静化するのに4時間以上かかったとのことであります。周辺店舗の従業員やお客様が多数避難をし、停電により、市電も3時間ほど運行をストップしたということで、大きな影響がありました。
翌日、出火した飲食店の向かいにある理事長のお店にお見舞いに伺いましたが、周囲にはまだ煙の臭いが強く残っており、真っ黒に焼け焦げた出火元のラーメン店を見て、改めて、被害の大きさを知り、火災の恐ろしさを感じました。
今回の火災では、従業員の方が1人、背中などにやけどを負いましたが、死者の発生はなく、また、狸小路商店街は古い建物が密接に並んで建っていますが、周囲には燃え広がらなかったことを考えると、隊員の皆さんの消火活動と相まって最小限の被害にとどめたとは思っております。
この火災は、飲食店の厨房から出火したものでありますが、先ほど、うるしはら委員の質疑にもありましたように、札幌市消防局では、ご家庭のこんろを対象とした自動消火装置設置費の助成事業を行っています。私も、この自動消火装置の実証実験の様子を市の消防局の
ホームページの映像で拝見いたしましたが、本当に一瞬のうちに消火され、出火防止には非常に有効な装置だと思いました。このような設備が飲食店の厨房にも設置されていたら、被害の拡大防止に大変有効であると思います。
そこで、質問いたしますが、自動消火装置の設置要件はどうなっているのか、また、今回火災のあった建物の厨房にはどのような設備が設置されて、出火当時の作動状況はどうであったのかを伺います。
◎山陰 予防部長 飲食店における自動消火装置の設置要件と、今回出火しました狸小路飲食店に設置されている消防用設備と作動状況についてお答えをいたします。
自動消火装置の設置要件につきましては、札幌市火災予防条例において、不特定多数の方が出入りする施設の地階にある厨房や、高さ31メートルを超える建物の厨房で、同一厨房室内の厨房設備のうち、消費熱量の合計が350キロワット以上のものなどに自動消火装置を設置することが義務づけとなっているところでございます。
今回出火した飲食店には、消火器のほか、排気ダクト内には、火災が発生した際に板状の扉が閉じて火炎の流入を防ぐ防火ダンパーが、火災予防条例に基づき、設けられていたところでございます。出火時の作動状況につきましては、防火ダンパーが正常に作動したため、排気ダクトへの延焼を防ぐことができたところではありますが、外壁と厨房内の壁の間から燃え広がり、結果として火災になったところでございます。
◆小竹ともこ 委員 今回出火した飲食店は、自動消火装置の設置対象ではなかったこと、設備については正常に作動していたことは分かりました。
このたびの出火原因について、報道発表によりますと、従業員の方が鍋でラードを熱しており、目を離した隙にラードへ着火、消火しようと水をかけたところ、火のついた油が飛び散り、燃え広がったとのことであります。恐らく、従業員の方も、ふだんは火のついた油に水をかけるとどのような状態が起こるのかは理解していたのではないかと推察いたしますが、予想外の出来事に気が動転してしまい、とっさに水をかけてしまったのではないかと思われます。ただ、結果的にはこのことが火災の拡大原因になったものと伺っておりまして、問題視する必要があると考えております。
厨房やご家庭のこんろからの火災については、本市においても今年上半期の火災原因トップになっており、出火を防止するための取組のほか、火災が発生したときの行動要領などについて、広く周知する必要があると考えております。
そこで、質問いたしますが、このたびの火災も含め、消防局では、飲食店やご家庭でのこんろ火災の未然防止と、万が一の際の消火方法について、どのような広報活動に取り組まれているのか、伺います。
◎山陰 予防部長 飲食店や市民に対するこんろ火災の未然防止と、消火方法に係る広報についてお答えをいたします。
消防局では、このたびの火災を受け、狸小路商店街の飲食店のほか、飲食店で組織する団体に対し、厨房での出火防止や、万が一、出火した際の消火方法に係る注意喚起文書を送付したところでございます。特に、視覚や聴覚に訴えかける情報発信については最も効果的な広報手段の一つでありますため、火のついた油に水を注ぐとどうなるかについて再現した映像をテレビ媒体を通じて公開し、広く市民の皆様に注意喚起を図ったところでございます。
また、立入検査や火災予防行事、高齢者世帯への自動消火装置設置費助成事業など、市民と接するあらゆる機会を捉えて、事業者への指導や、市民の皆様に対する火災予防の普及啓発を図っているところでございます。さらに、今月15日からは秋の火災予防運動が始まりますため、火災の未然防止に係る広報活動を積極的に展開したいと考えているところでございます。
◆小竹ともこ 委員 今回改めて感じましたことは、平常時には何げなくできる行動も、不測の事態が発生したときには、正しい行動ができなくなるおそれがあること、誰もが知っているであろう基本的な行動こそ、地域の皆様に寄り添いながら、しっかりと普及啓発を継続することが大切ではないかということであります。
また、基本的な行動を普及啓発するためには、このぐらいは知っているだろうと思うのではなく、もしかしたら知らないかもしれないという視点を持つことが重要であり、映像媒体を活用する際も、適宜、更新を図りながら、新鮮な情報を提供していくことが求められます。
さらに、厨房やご家庭でのこんろ火災に着目しますと、事業者向けには条例で出火防止を図り、市民の皆様向けには高齢者世帯を対象とした自動消火装置の普及促進を通じて安全や安心を推進し、類似火災の未然防止に向けたハード面での取組を積極的に行っているところであり、これは他の政令指定都市や他の自治体に先駆けて実施されている事業で、先進的な取組について大変頼もしく思っております。
そのような中、総務省消防庁では、事業者向けの対策として、本年5月29日に小規模飲食店に設ける厨房用自動消火装置等のあり方に関する検討部会報告書を発出し、それぞれの小規模飲食店の厨房に共通する火災リスクに対応できるよう、厨房用簡易型自動消火装置の技術ガイドラインが取りまとめられております。
そこで、質問ですが、札幌市の小型家電リサイクル事業のこれまでの取組についてどのように評価をされているのか、まず、伺います。
◎齋藤 環境事業部長 小型家電リサイクルについて答弁させていただきます。
札幌市における小型家電リサイクル事業に関するこれまでの取組と評価についてでございますが、札幌市の小型家電回収量は順調に伸びておりまして、平成27年度には915トンでありました回収量が、令和元年度には、先ほど委員からもありました1,305トンとなりまして、この5年間で4割ほど増加をしてございます。
また、様々な方法によります市民啓発・周知に取り組んでおりますところ、昨年度実施いたしました市民
アンケートでは、小型家電回収に関する市民の皆さんの認知度が約75%と、制度の浸透が進んでいると認識をしてございます。
一方で、市民1人当たりの回収量に割り返しますと、年間約0.6キログラムでございまして、国が目標達成の目安としております1人当たり年間1キログラムには届いておりませんことから、さらなる掘り起こしによる回収増に努める必要があると考えてございます。
◆しのだ江里子 委員 札幌市においては、回収量が順調に増えて、そして、この5年間で約4割の増加となったということですけれども、国の目標達成の目安であるのは1年間に1人1キロということですので、そこからすると、0.6キロはまだ到達をしていないなということになります。引き続き、できるだけ多くの小型家電を回収することが必要だと考えます。
一方で、認定事業者へ依頼をしているこの回収、処理に関して、リチウムイオン電池による発火リスクの顕在化ですとか、中国の輸入禁止措置の影響によります廃プラスチック類の処分費用の上昇といった様々な課題も出てきていると認定事業者さんからお聞きをしました。
今年の2020年8月に発表されました国の中央環境審議会循環型社会部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会等合同会合による小型家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書というのがございまして、これを
ホームページから見ました。そうしますと、やはり全国的な傾向として同様の課題が指摘をされていました。
小型家電リサイクル法が、制度の目的を達成し、社会の要請に応え続けるためには、使用済み小型家電の回収量をさらに増加させ、認定事業者による効果的なリサイクルを推進するとともに、新たな課題への対応に向けた方策を講じるべきであると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市として、事業開始から7年たち、見えてきた課題に対してどのように対応されていくのか、伺います。
◎齋藤 環境事業部長 事業開始から見えてきた課題への対応ということで回答させていただきます。
委員のご質問にもありましたリチウムイオン電池やプラスチック処理費用の高騰といった課題は、札幌も同様にございます。
まず、発火の危険があるリチウムイオン電池を含有した家電につきまして、適正で安全な処理を行うために、製品からのリチウムイオン電池の取り外しや、取り外せない製品につきましては、小型家電リサイクルのほうに排出をしていただけるよう市民にお願いをしてまいります。また、国際的なプラスチック輸入規制に伴う廃プラスチック費用高騰などの理由から、行政が経費を支払って認定事業者にリサイクルを依頼する、いわゆる逆有償化というのが全国で進んでおります。
こうした背景の中で、札幌市の小型家電リサイクルは、これまで認定事業者が回収からリサイクルまで無償で行っておりましたが、ここへ来て事業者から経費負担を求められる事態を招いてございまして、今後も小型家電リサイクルを継続していくためには、費用対効果なども考慮しながら、効率のよい回収体制を検討していく必要があると考えております。
なお、札幌市では、小型家電回収量の約8割を民間の事業者による自主回収が占めておりますことから、引き続き、事業者とも連携して、回収量の増加に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 今のご答弁で、認定事業者から費用負担を求められているということであります。ほかの都市を見ますと、ほとんどのところがもう既に逆有償化がスタートしております。とは言いながらも、やはり効率のよい回収体制を検討していただけるということですけれども、私は、必要な経費を負担しても、行政が主体となってしっかりと事業を継続し、回収量の拡大を図っていく必要があると考えます。
今、4,000トンの小型家電が燃やせないごみに混入をしています。これを最終処分地に持っていくのか、それとも、これをまさに都市鉱山として利用していくのかということに関しては、最終処分地に持っていくということになると、これをきちっと利用ができることになれば、最終処分地の延命化にも必ずつながると考えます。
そしてまた、今ご答弁にもありましたように、リチウムイオン電池の使用製品の排出増加、そして、国の設定した対象品目に該当するか判断がつかない、例えば、今、電子たばこ等が大変多く出ているということなんですけれども、こういった課題が本当に浮かび上がってきているわけです。特に、このリチウムイオン電池を起因とした火災防止対策は喫緊の課題でありまして、小型家電のみならず、廃棄物処理システム全体の課題となっています。そのために、小型家電リサイクルの過程における対策の重要性はもちろん、燃やせないごみや容器包装プラスチックなどに混入することによる事故を防ぐため、市町村、製造業者、小売業者、そして認定事業者、国などが連携をし、リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池使用製品の適切な分別、排出を呼びかけていくことが必要だと考えます。
そこで、質問ですが、こうした課題がある中で、小型家電リサイクルを推進するための市民周知をどのようにされていこうとしているのか、伺います。
◎齋藤 環境事業部長 リチウムイオン電池の課題がある中での小型家電リサイクルを推進するための市民周知の進め方についてでございます。
札幌市では、これまでも、小型家電やリチウムイオン電池の適切な排出に係る市民周知を目的としまして、広報さっぽろ、あるいは、市の
公式ホームページへの掲載、イベントでの周知など、様々な機会を捉えて啓発に努めてきているところではございます。
また、新たな取組といたしましては、市民の皆様が日常的に使用される指定ごみ袋の外装袋、これはいろいろと広告に使うのですが、こちらにもリチウムイオン電池の取り外しに関する注意喚起というものを掲載することとしておりまして、これからさらなる市民周知を進めていきたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 使用済み小型家電は、燃やせないごみとして排出されると、本当にただのごみになってしまいます。ですけれども、きちっとリサイクルされることで、それが地上資源となり、そしてまた都市鉱山となるわけで、そういったことは、札幌市が重要なステークホルダーになると考えています。社会のニーズに応えられるように、法施行時に想定されなかった新たな課題については柔軟に対応していただくことが重要であると考えます。
小型家電リサイクルにおける回収量を増やしていくためには、まずは小型家電を排出する消費者が小型家電リサイクル制度を認知し、適切な方法で排出することが重要であり、札幌市における小型家電リサイクル制度の認知度に関しては先ほど75%というお話がありましたが、さらなる認知度向上を図っていただきたいと思います。
これには、先ほどもお話がありましたように、広報さっぽろであったり、
ホームページであったり、そしてまた、今、
ホームページというよりもSNSを使っての周知であったり、それから、大変、今注目されておりますタクシーの中のコマーシャル動画などを利用するとか、様々、取組をしていただきたいと思います。
また、オリンピックメダルで有名になりました「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」の成果を受け継ぎますアフターメダルプロジェクトが始まり、また、各主体の取組の継続によりまして、引き続き回収量の拡大を進める余地は十分にあると思います。みんなのメダルプロジェクトは、この2020年の東京オリンピックだけではなくて、2024年のパリオリンピックでも日本の技術で実施されることが決まったと聞いております。
しかし、これは、自治体であったり、それから、市民の力だけでできることではないわけで、今後、国は効果的な収集・運搬の社会課題の解決に向けた予算措置など支援を行うべきであり、優良事例の横展開に向けた事例の整理や周知に取り組むということをしっかり国に求めていただきたいと思います。
SDGsの世界は、地下資源を利用しないで、地上資源、都市鉱山の再利用がトレンドです。認定事業者の方たちからもお話を伺いました。このお話の中では、ちょっと札幌市とコミュニケーションが足りないのかなということも感じたところです。今後、市民も含め、行政と認定事業者等が、引き続き、協力・連携をして、回収方法ですとか、再資源化の効率化に向けた方法を工夫されながら、小型家電リサイクルの一層の推進がなされるように期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
◆好井七海 委員 私からは、集団資源回収について、端的に伺います。
初めに、集団資源回収の現状に関する市の認識について伺います。
集団資源回収は、町内会などの地域団体の自主的な取組であり、札幌市のごみ減量・リサイクルにとって重要であることは認識しております。
しかしながら、インターネットによる情報発信の普及に伴いまして新聞、雑誌の発行部数が減少するなど、古紙の全体量が減少しているのが現状であります。また、集団資源回収以外の回収拠点の増加によりまして古紙の排出先が分散化していることで、回収業者の回収効率が非常に悪化していることを聞いております。さらに、回収業者は、中国の古紙輸入禁止に伴う古紙価格の下落や作業員の高齢化といった厳しい経営環境の中で、日夜、仕事をされており、さらには、業者間の競争にさらされている状況であります。
そこで、このような状況の中で、集団資源回収の現状に関して、市としてはどのような認識を持っているのか、伺います。
◎齋藤 環境事業部長 集団資源回収について答弁させていただきます。
集団資源回収の現状に関する市の認識ということでございます。
紙離れに伴いまして古紙の全体量は減少しておりまして、1回当たりの回収量が少なくなり、資源回収業者の回収効率は悪化をしているということだと思います。また、中国の古紙輸入禁止に伴う古紙価格の下落あるいは人件費の上昇といった要因も重なりまして、資源回収業者の経営状況は厳しいものということで認識はしております。
一方で、札幌市で発生をいたしております古紙につきましては、道内の製紙工場に持ち込まれるものがほとんどでございまして、本州ほど中国の輸入禁止の影響は受けていないということでございます。また、札幌市では、現在のところ、資源回収が滞るような状況は発生はしておりませんで、回収業者の数も一定数が保たれているのかなと認識をしております。
こういったような状況のため、札幌市におきましては、現状では集団資源回収の体制は一応保たれている、このように認識をしております。
◆好井七海 委員 集団資源回収の体制は保たれているとは言われますけれども、現状、私の地域で回収している業者さんにもお聞きしましたが、現場では、業者間の厳しい競争の中で、個々の資源回収業者の立場が非常に弱いことで、経営状況改善に向けた対外的な働きかけが難しい状況にあって、今年も雇っていた2人を辞めさせるしかないという現状がありましたので、ここでお伝えしておきます。
次に、集団資源回収業者に対する市としての協力について伺います。
このような状況において、資源回収業者の協同組合が市に対して集団資源回収継続に向けての要望書を提出していると聞いております。私としても、市が、資源回収業者に対し、奨励金を交付していることは承知しております。また、本年4月に横浜市でありました資源回収業者の撤退が、札幌市で万が一起こると、大変なことになります。私は、このようなことにならないように、資源回収業者に対してはさらなる支援が必要であると考えます。
そこで、質問ですが、市としては、資源回収業者に対し、どのような協力ができるのか、お伺いいたします。
◎齋藤 環境事業部長 集団資源回収業者に対する市としてのさらなる協力についてでございます。
資源回収業者の経営状況の改善に向けましては、回収効率の向上が重要でありまして、そのためには、資源回収の頻度の変更ですとか、資源回収拠点の集約化が効率的であるというように考えております。そこで、町内会など集団資源回収の実施団体に対しまして、回収効率の向上に向けた協力をお願いする文書を市として発出したいと考えております。
集団資源回収の体制を維持する上で、古紙市況や集団資源回収の実績も注視をしながら、札幌市としてどのような協力ができるのかは、引き続き検討はしてまいりたいと思います。
◆好井七海 委員 市の現時点での考え方は理解いたしましたが、資源回収業者の回収効率も大事ではありますけれども、古紙価格の下落などの状況の悪化が続いており、先ほども言いましたが、横浜市のように集団資源回収から撤退され、体制が維持できないとなると、市直営で古紙を収集することを余儀なくされると、多大なコストがかかりますし、もちろん市民や町内会なども困ると思います。
ですから、このような状況とならないよう、リサイクルの維持のためにも、業界ともよく話合いをして、必要に応じて業者への奨励金の増額も含めた支援を検討するよう要望して、私の質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 私からは、再生可能エネルギー利用拡大に向けたモデル的な取組についてお伺いをいたします。
先ほどの質問にもございましたが、今、世界の国々や企業、さらには多くの自治体が、2015年のパリ協定で合意された温室効果ガス削減に関する取決めに向け、脱炭素社会の実現を目指して大きくかじを取っております。今年の9月3日、我が国の主催で開催されました
新型コロナウイルスからの復興と気候変動・環境対策に関する「オンライン・プラットフォーム」閣僚会合では、国連のグテーレス事務総長が、気候変動の重大な危機に直面していることに触れ、パリ協定の目標を達成するために、世界の温室効果ガス排出量を2030年までに半減させるとともに、2050年までに全世界でカーボンニュートラルを達成しなければならないと、各国、特にG20のメンバー国に対して約束するように働きかけているところであります。
政府は、こうした危機への警鐘を重く受け止め、課題解決策として、太陽光や風力など再生可能エネルギーが社会にとって当たり前となるように、「再エネ型経済社会」の創造という方針を新たに打ち出し、大胆な再生可能エネルギーの普及拡大を進めようとしているところであります。私たち公明党も、党の新たな政策ビジョンの柱の一つに環境・エネルギーを掲げ、異常気象が多発、激甚化している状況も踏まえ、持続可能で強靱な脱炭素社会の構築をすべきと、2050年を視野に温室効果ガス排出実質ゼロを目指すことを政策に掲げました。
そうした状況の中、本市におきましては、今年の第1回定例市議会の我が党の代表質問に対して、秋元市長は、2050年には温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことを表明しておりますが、ゼロカーボンシティーを加速度的に実現させるためには、市民の意識の醸成、行動変容はもとより、具体的な取組として、今後、道内各地の太陽光発電や、急速な拡大が見込まれる大規模洋上風力発電など、道内における再生可能エネルギーを市内で有効に活用していくことが重要になると考えます。
そこでまず、最初の質問ですが、本市が道内再エネの活用を図る上で主にどのような課題があると認識しているのか、お伺いいたします。
◎菅原 環境都市推進部長 道内の再生可能エネルギーの活用を図る上での課題につきましてお答えいたします。
2050年に市内から排出される温室効果ガスを実質ゼロにするゼロカーボンシティーを実現するためには、道内で生み出される再生可能エネルギーを市内で有効に活用することが不可欠であると認識しております。
しかしながら、現状では、道内各地の太陽光発電や風力発電などで作られた電気を札幌市まで運ぶための送電網の容量不足が課題となっており、送電網の容量拡大や再生可能エネルギーで作られた電気を水素などの他のエネルギーに置き換えて運搬するなどの対応が必要とされております。また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候や風の強さなどによって発電量が変動するという課題もあります。そのため、発電量が電力需要量を上回るときにはその余剰分を蓄えておき、発電量が電力需要量を下回るときにはそれを消費するといった需給調整機能が必要となります。
現在、この調整機能として、大型の蓄電池や、余剰分を水素エネルギーに替えて貯蔵し、運搬する技術の開発が進められているところであります。
◆丸山秀樹 委員 再生可能エネルギーを市内で活用していくための取組として、今の答弁の中にもありましたように、変動しやすい再生可能エネルギーの需給調整機能として、大型の蓄電池や余剰分を水素エネルギーに替え、貯蔵するなど、水素の利活用が大きな鍵になることが示されたものと考えます。
今年の1定の
予算特別委員会では、水素の利活用の観点から、まちづくり政策局政策企画部に、水素サプライチェーンの調査検討の一つとして行われる水素のモデル街区の整備に当たっての課題について、我が会派の小口委員より質問をいたしております。その際、政策企画部から、課題として、官民連携による整備を前提とし、水素エネルギーの取組に関心が高く、長期にわたって施設運営を担ってもらえる民間事業者の協力をいかに得ることができるか、また、燃料電池を導入した集客施設と水素ステーションを整備するための数千平米規模の更地または更地となる可能性のある場所の確保が必要であることの2点を挙げ、さらに、この場所の選定については、水素ステーションは現在の豊平区の1か所で運営されていることを踏まえ、市内の各方面から利用しやすい配置であることや、将来的な燃料電池バスの利用も視野に入れ、幹線道路に面している場所が望ましいこと、モデル街区を多くの市民や事業者に実際に見て理解を深めてもらえるよう、地下鉄など公共交通機関の利用人口が多く、集客力が見込める場所であることといった視点を考慮しながら、1〜2年のうちに適地を検討し、決めていくことが必要であるという答弁をいただいたところであります。そして、今年度から、このモデル街区事業の所管は、環境局へと替わっております。
そこで、質問ですが、水素のモデル街区の検討について、現状の進捗状況をお伺いいたします。
◎菅原 環境都市推進部長 水素のモデル街区の検討の進捗状況につきましてお答えいたします。
水素のモデル街区につきましては、現在、街区の整備場所として必要な面積規模や立地面の条件を満たす活用可能な市有地について、引き続き、候補地の検討を進めているところであります。また、あわせまして、民間事業者への調査なども実施しながら、モデル街区の具体化に向けて検討を進めていく予定であります。
◆丸山秀樹 委員 候補地については、引き続き、立地条件としてモデル街区整備に適している場所の検討を進めていただければと思いますが、あわせて、今後実施する民間事業者への調査に当たっては、本市がモデル街区で目指す事柄を明確に示すことが大切であると考えます。また、モデル街区の取組を通して、水素の利活用の重要性が市民に理解してもらえるような工夫が求められます。
そこで、質問ですが、モデル街区の整備に当たっては、どういったコンセプトや機能を考えているのか、お伺いいたします。
◎菅原 環境都市推進部長 モデル街区のコンセプト、それから機能につきましてお答えいたします。
モデル街区の整備につきましては、使用時にCO2を排出せず、かつ、停電時にも電気や熱を供給することができるといった水素エネルギーの持つメリットを生かして、災害に強く環境に優しいモデル街区をコンセプトとし、災害に強い自立分散型電源の重要性や、脱炭素社会の実現に向けた水素エネルギーの利活用の在り方を広く発信することを目指すこととしております。
具体的には、民間の活力やアイデアを取り入れて、水素から電気と熱を生み出す燃料電池を敷設した集客施設と水素ステーションを整備し、災害に強く、環境に優しいまちづくりの取組についての情報発信や環境教育の機能を備えるとともに、水素エネルギーが持つ多様な可能性について、多くの市民や事業者に理解を深めてもらえる場としたいと考えております。
◆丸山秀樹 委員 水素エネルギーについては、関連技術の進歩も著しく、将来のクリーンエネルギーとしての期待が高まっておりますが、その一方で、市民にとってはまだなじみの薄いものであると考えます。今後の大事な課題の一つとして、市民が、水素エネルギーの今と未来を、安全性の観点から、不安を抱えることのないように、知っていただくことが大事な取組の一つと言えると思います。
私は、平成29年に東京都にあります水素情報館東京スイソミルを視察してまいりました。そこでは、日本のエネルギー事情を学べるとともに、水素と酸素で電気と熱を作る仕組みや、水素ガスは、高圧ボンベで貯蓄するばかりではなく、家庭型としては、金属に低い圧力で吸蔵させる安全な水素吸蔵タンクを使用することで、熱や電気を供給する燃料電池、いわゆる小型のコジェネとしても利用できるということも学んできたところであります。こうした水素の利活用は、車やバス、エネファームといった研究開発が進められてきているわけではありますが、この施設では、じかに触れて、動かし、体験ができる未来都市がジオラマで体験できるようになっており、改めて、水素エネルギーの可能性や水素社会の未来をかいま見た思いでありました。
この施設は、小学生などが授業の一環として集団で訪れ、学習の場としても活用されており、企業の最新技術を披露する場となっていることから、近年の災害対策を考えたときに、その技術も進歩してきているものと思います。また、幅広い世代がそうしたことを利用され、水素の理解を深められるような工夫もなされている施設でございました。今回の本市のモデル街区の整備は、災害に強く環境に優しいモデル地区というコンセプトの下、情報発信や環境教育機能を備えるとのことですが、このモデル街区の整備を進めるに当たっては、今申し上げましたスイソミルなどの事例も、そしてまた、その手法も、ぜひ参考にしていただければと思うところであります。
地域住民の皆様が、水素エネルギーを知り、学び、不安を抱かれている方に対しては、丁寧な説明で、安全性はもとより、その多様な可能性についても理解が深まることを求めて、私の質問を終わります。
○小形香織 委員長 以上で、第1項 環境計画費等の質疑を終了いたします。
最後に、第7款 土木費 第6項 公園緑化費中環境局関係分及び令和元年度札幌市駐車場会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。
◆小田昌博 委員 私からは、円山動物園の駐車場に関しまして、4点ほど質問させていただきます。
初めに、来園者数と駐車場の利用についてになります。
この駐車場の件に関しましては、本年1月の総務委員会、円山動物園ビジョン2050第1次実施計画の中でも触れさせていただきましたが、円山動物園は、平成30年度には来園者が100万人を突破し、令和元年度にはアジアゾウの一般公開などの効果でさらに多くの来園者に足を運んでいただき、まさに札幌市内では代表する近場での行楽地となっているのは、市民の皆さんが承知していることと思います。
ここで、来園者数の内訳を見てみますと、市内から来園する市民が約6割となっており、中でも、小さなお子さんがいる家族連れのファミリー層が多いと考えられ、そうなると、交通手段も車で行こうかという方が多いのは想像できます。例年ですと、週末になると、多くの方が来園され、駐車場は混雑し、また、ゴールデンウイークや夏休みの時期になると、駐車場に入るまでに長い時間を要し、いわゆる市街地からの駐車待ちと山側からの駐車待ちで、駐車場入り口及び周辺道路の交通障害にもなっております。動物園がたくさんの方々でにぎわうことは喜ばしいことですが、混雑時には、警備員も配置しており、交通整理に当たられていますが、解消にはつながりにくく、何より近隣住民の皆様のことを考えますと、問題解決に向け、手を打たなければならない時期なのではないかと考えます。
例年であれば、春先から夏場にかけて、多くの方が訪れ、動物園はにぎわいを見せているはずでしたが、
新型コロナウイルスの影響で4月から5月にかけては休園せざるを得ない状況となりましたので、今年度は、例年と比べ、来園者数が減少していることかと思います。
そこで、一つ目の質問です。
今年度の円山動物園の来園者数と駐車場の利用状況はどのようになっているか、お伺いいたします。
◎加藤 円山動物園長 今年度の来園者数と駐車場の利用状況についてお答えをいたします。
初めに、来園者数でございますけれども、例年、ゴールデンウイークには年間の約1割のお客様が来られるわけですけれども、ご指摘があったとおり、
新型コロナウイルスの感染拡大防止の外出自粛ということで、このゴールデンウイークを含む4月と5月を休園せざるを得なかったことが影響いたしまして、4月から9月までの6か月の来園者数は30万8,688人でございました。これは、前年同期の約40%の数字でございます。
なお、開園をしていました6月から9月だけで比較をいたしますと、29万7,607人と前年同期の約65%でございます。この間は、比較的天候に恵まれていましたので、
新型コロナウイルスの影響を大きく受けているものと考えてございます。
次に、駐車場の利用状況でございますが、こちらも、休園期間が影響いたしまして、4月から9月までの6か月間の駐車台数は7万6,237台でございました。前年同期の約47%でございます。特に、バスなどの大型車の落ち込みが激しく、6月から8月で81台でございました。これは、前年同期の約15%でございます。9月に入りまして、幼稚園、小学校の遠足が少し回復してきましたので、9月だけで見ますと、232台と前年の80%の水準まで回復しているところでございます。
◆小田昌博 委員 今年度の来園者数ですけれども、9月末までの段階で、昨年同時期に比べ、約6割の減、また、この期間は大型バスの駐車台数の落ち込みが大きかったということですけれども、9月の単月だけで見ると、加藤園長の答弁にもありましたように、幼稚園などの遠足が増えてきているということですから、昨年同時期に比べて8割の水準まで回復してきているということでした。最近になって、少し来園者が戻ってきているということでございます。
先ほども言いましたけども、円山動物園では、2019年に、札幌市円山動物園基本方針「ビジョン2050」を策定し、生物多様性の保全や環境教育の取組を重点的に推し進めるということにしており、このことはとても大切なことであると考えますが、同時に、動物園は、例えば、小さなお子様と来園されるご家族連れ、お孫さんたちと訪れるおじいちゃん、おばあちゃんなどの憩いの場としての役割を担っています。しかし、せっかく楽しみに訪れても、動物園に入る前に相当待つことになるのは、来園者にとってとても残念なことです。
本年1月の総務委員会の質疑で、加藤園長の答弁ですけれども、現状ではゴールデンウイークなどは臨時の駐車場などを設置してきているということですが、駐車場には限りがあるという答弁でございました。
それを踏まえて、二つ目の質問です。
円山動物園へ来園する方の駐車場の確保という課題に対して、何か対応策を検討しているのか、伺います。
◎加藤 円山動物園長 駐車場の確保に向けての対応策でございます。
現在、円山公園内の各施設のための駐車場といたしまして、第1、第2の二つの駐車場がございまして、駐車可能台数は合わせて約950台となっております。しかしながら、ご指摘のとおり、ゴールデンウイークや小・中学校の夏休みなどの動物園の繁忙期には、これらの駐車場だけでは不足が生じるわけでございます。
したがいまして、これまでも、新たな駐車スペースの確保を模索してきたところでございますが、このたび、一定の方向性を見いだすことができたところでございます。具体的には、円山動物園の西門から徒歩で約5分の位置にございます円山総合運動場の補助競技場を新たに円山動物園の駐車場として活用いたしまして、200台強分の駐車スペースを新たに確保する方向で現在調整を行っているところでございます。
◆小田昌博 委員 現在使用している2か所の円山公園駐車場のほか、駐車場の繁忙期に対応できるように、現在の円山総合運動場の一施設となっている補助競技場、いわゆるサブトラックを新たに円山動物園の駐車場として使用することについて検討しているという答弁をいただきました。混雑緩和に向けて、一歩前進したということで、地域の方、また来園者の双方によかったなというふうに思っているところでございます。
これまでの質疑の中で、動物園までのアクセス向上策、渋滞の緩和策の一つとして、新たな駐車場の確保を検討していくということで、これは非常に有効な手段であることは確かな一方で、検討候補地となっているサブトラックは、現在は周辺地域の方々が利用されているものと聞いております。
そこで、確認のため、伺います。
現在の補助競技場の利用状況と、駐車場への転用後、その方々への対応についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎加藤 円山動物園長 補助競技場の利用状況と転用後の対応についてお答えをいたします。
初めに、現在の補助競技場の利用状況でございます。
円山総合運動場の一施設でございます面積約6,100平米の補助競技場ですが、昭和29年の第9回国民体育大会に合わせて設置された施設でございます。現在は、主に近隣の大倉山小学校の運動会や、地域の少年野球チームの練習場などとして活用をされているところでございます。昨年度の利用件数は、年間で90件となってございまして、主な利用団体といたしましては、少年野球チームが37件、地元町内会のラジオ体操が19件、地元のサッカーチームが17件となっているところでございます。
次に、駐車場へ転用した場合の現在の利用者への対応についてお答えをいたします。
委員がご指摘のとおり、二つの円山公園駐車場が混雑をいたしますのは、ゴールデンウイークや小・中学校の夏休みといった一時期でございますので、補助競技場を転用したとしても常に駐車場として利用するわけではございません。このことから、駐車場として利用を行わない日につきましては、今までどおり、グラウンドとして占用利用できる取扱いをいたしまして、限られた敷地を有効に活用してまいりたいと考えてございます。